毎日晴天!―花屋の店番―

毎日晴天!―花屋の店番―読んだので感想

花屋の店番
☆あらすじ☆
しま姉が日本に帰ってきていることを知った龍兄が失踪して
明ちゃんが龍兄の花屋の店番をすることになり
家族や周囲の人に心配されまくる話

☆感想☆
明ちゃん愛されているなあ
もしかして龍×明信CPの未来はバッドエンドじゃなくなるのかな?
そんな風に思えた話でした
そして、『毎日晴天!』に出てくる女キャラクターが藤川ちゃん以外
全員なんだか性格荒くて怖すぎな件
かわいさはどこー!?

子供はわかっちゃくれない
☆あらすじ☆
まゆたんが本命の大学落ちて滑り止めの私立大学に通うことになり荒れる話

☆感想☆
読みながら、いちご100%の西野が真中に凄く感謝している理由
若しくは惚れた理由は、まさに、ここにあったよなあって、
西野のことばかり考えていました
西野は真中という「何かを目標にして頑張ろうとしている人間」に触発されて
いろいろ行動起こした結果、相当なレベルUPをとげた人間であるので、真中に感謝するのは
ある意味当然なんですよね(実際本人も観覧車の中で直接真中に感謝の言葉を告げていました)
とりあえず家から近い高校に通えばいいやーと思っていたところ真中の言葉でレベル高い高校行くことに
決めて勉強頑張ってその結果、当初よりもっと高いレベルの高校に合格
でも、将来の夢とか目標は相変わらず特になかったから、まずそれを探すため色々な活動に参加
その結果、パティシエールになるという目標を見つける
しかし進学校の生徒が大学に進学せず、就職や専門学校の生徒になるというのは、もうそれだけで
同学年の生徒からは見下されるし教師は眉をしかめるし両親は絶対反対される
そんないばらの道
成績が悪ければまあその道に進むのも仕方ないかなと認められるかもしれないが
なまじそれなりの学力成績をおさめていたとなると、
相当風当たりが強く心理的に追い詰められる
例えば、父に、担任に、「そこまでして叶えたいくらいの夢であるか」と問われると、
半ば無理やり意図的に見つけた夢
真中のように自然に「映画監督になりたい」と思ったわけではない夢
強い口調で自信をもって、彼らの目をみて「そうだ」と答えられない
「才能があるのか」と問われれば解らない。
「実績があるのか」と問われればないと答えざるを得ない。
実際、お菓子作りのコンクール等で何かの賞をとったことはない。
パティシエールになる為の修行だってはっきりいって始めたばかりといって差し支えない。
実は真中の映画監督になりたいという夢以上にその道程が困難で遠くスタート地点から出遅れている。
それが一番解っているのが西野自身だ。
だが、それでも、やりたいと思っている。真中程の情熱じゃないかもしれないけれど自分にとっては
きっと最上級の、手放したくない、叶えたい望みだと思えている。
「自分が将来なりたい自分像」になる為に頑張りたい。ただそれだけ。
誰かに頑張れって言ってもらいたい。
認めてもらいたい。
誰かに背中を押してもらいたい
そう思った時に、ちゃんと欲しい言葉をくれて背中を押してくれる真中
そら惚れますがな
そら惚れますがな!!って言いたい
(小暮さんは「叶えたい夢があるんだよな。じゃあ頑張れ。協力してやるよ!」ってスタンスだったら
 良かったのに、西野と婚約とか、言い始めた時点で西野からの信頼を大きく損ねた感ある
 気持ちに寄り添っていない。と、いうか、「こんな風に生きていきたい」像が小暮さんのように
 パティシエールとして生きていく姿なら、そんな雲の上の人から「まあ頑張れ」的なこと言われても
 「あ、そっすね」と、いうだけで終わるかもしんない。みじめな気持ちになるだけというか
それに西野がなりたいのは確かにパティシエールなんだけども
 もっと突っ込んでいえば西野がなりたいのは「夢を情熱的に追う人」更にいえば「真中のような人」
 なので多分、ケーキへの情熱をもっと語るなり魅せるなり将来への展望を語るなりどうしてそんなに
 好きになったのか語るとかした方が西野の心を動かすには良いアピールだったと思う>小暮さん
 ただ、西野が憧れているのが自分とスタートダッシュほぼ同じな夢追い人真中な時点で
 勝ち目はないかもしれん)
あれ? 毎日晴天!の話はどこいった?
っていうか、これ書いていて思ったのですが、
そんな情熱を持って叶えたいと思えるような「夢」
言い換えれば「将来像」「自分がなりたい『帯刀真弓』」ビジョンは
真弓は生涯持てないのかもしれないけど、
それでも健やかに生きていって欲しいと言い放った明ちゃんの言葉の威力は、
本当酷くて凄まじいものだったなと。

大人のおつかい
☆あらすじ☆
秀がまゆたんが何故私立落ちてあんなに荒れたのか
また、将来なりたい目標もない自分はとてもつまらない人間だと嘆くまゆたんに
明信がかけた言葉の意味を熟考する話
真弓「そしたら別にしたいわけでも仕事、一生するの? 俺?」
明信「それでも、僕はいいと思うけど」
……
明信「でも、ごめん。真弓がいつか必ず何かに出会えるとは、僕は言ってあげられない。
   それでも、はつらつと生きて欲しい」
真弓「無理だよそんなの! 何もないのにそんな風に生きてくなんて、絶対無理だよっ」

☆感想☆
秀が大河相手に時々ですます口調になるのがとてもかわいい素晴らしい
秀が割と人間っぽいのが秀の成長を感じさせる
あと、ウオタツの存在が、とてもいい味を出していて良かったです
ただ、えー。本当に、魚屋つぐの? いいの? ウオタツそれでいいの?
凄くウオタツが心配になりました。 
ウオタツ本当にいいの? って、言いたくなりました。
秀と明ちゃんの会話は、とても興味深く、読んでいて、考えさせられました。
そしてやっぱりいちごの西野のことを考えてしまいました。
「何もない」自分が嫌だ 生きている意味がないように感じてしまう
「なりたい自分になる為に」頑張っている人が羨ましい
そうだそんな人に私もなりたい
なんて単純明快な行動原理なんだろう
何もないのが嫌だからパティシエって夢を見つけてそこに向かって邁進することを選んだんだよ
西野はとても、意思の強い子

あと、物語シリーズの貝木と撫子のやりとりも思い出しました
「漫画家になりたい夢」を持つ撫子の背中を押した 肯定してくれた貝木の言葉に
どれだけ撫子は嬉しかったことだろう勇気づけられたことだろうって

夢に立ち向かうのに怖気付いた時に背中を押してくれる存在がいるって本当に羨ましい
ねたましい
そして、絶対に幸せになってねって思っちゃう

貝木からもらった勇気を糧に、斧乃木ちゃんからの愛を糧にや月火ちゃんからの友情を糧に
ぐんぐん漫画家になる為頑張る撫子を見ていると頑張れ超頑張れって応援したくなるように

真中からもらった勇気を糧に、パティシエールになる為に頑張る気力ゲージを
回復させたりしている西野みているとやっぱり頑張れ頑張れ報われろ幸せになれって言いたくなるの

総評

久々の、『毎日晴天!』嬉しい……。
実は、毎日晴天!シリーズはつい最近まで、私は『夢のころ、夢の町で』が最終巻だったのだと
勘違いしていたのです!
『花屋の店番』と、『子どもたちは制服を脱いで』は、amazonであなたにおすすめの本欄に
載っているのは知っていたけど、何故か、二宮先生のコミックス版だとばかり思っていたのです。
理由は解ります。
題名のフォントが、ちょっとかわいくお洒落に12巻からなっているので、だからコミクス版かと
勘違いしちゃっていたんだと思います。
多分、私以外にもそういう人、いると思います!!
小説だと気付いたのは15巻が、本屋さんい売られているのを発見したからです。
「え、終わったのとちがかったん!?」と、慌てて手にとり、買いました。
なので、何故か読む順が、15巻→14巻→13巻→12巻(今ココ!)と、さかのぼる結果と
なりました。
15巻読んだら、秀はやたら人間ぽくなっているわ、まゆたんは大学生になっているわで
物凄く吃驚した覚えがあります。
いや、秀が、もう、なんだろう。14巻、15巻で、やっと外の人と関わるようになり、
人間的にレベルアップして、世界が広くなって、感無量というか。
秀のはじめてのともだちの話なんじゃないかと思ったり。
だって、秀から、秀からかかわっていってたんだよ他人に!
本当もうびっくり!
もうそれが、普通に凄く楽しかったというか、14巻15巻は凄く良かったよね。
「小説家の秀」と「編集の大河」についての掘り下げがここにきて、初めてなされた感あったし。
凄く楽しかった。
「あの宇宙人のようだった秀が……、こんな立派な人間ぽい生き物になって」と、いう感動もあった。
とても上手くいっているから担当交代したままでずっといっていい気がしています。

おお、何故か14巻15巻について語ってしまう
まあ、12巻読んだ目的が14巻15巻の補完の為というのが主な理由だったから
それも仕方ない事なのかもね

真弓掘り下げ感の13巻も好きでした
この13巻で、「真弓が勇太に惚れた理由」がやっと納得出来た感じです
真弓の「変質者に襲われたこと自体はそんなに気にしていない。
それよりも大河兄があの事件が起きたのは自分のせいだと気に病んでいる方が辛い」という
真弓の言葉を鵜呑みにしていたせいで、真弓が勇太に惚れた理由が
今までちょっとよく解っていなかったのです
だって、背中の傷を本当に気にしていないなら、傷ごともらってやるって勇太に言われたって
そんなに心に響くものあるけなかったし、神尾やボクシングジムで揶揄ってきたボクサーに
あそこまで攻撃的になることもなかったわけで、だからずっとそこがもやもやしていたんですよね
数十年越しで「あー、だからかー」と、やっと納得出来ました。
やっと、真弓のことが解った気がしました。
勇太の言っていた「真弓はアンバランス」発言はここにかかっていたのか!と、
そこにも初めて気づきました

で、13巻読んでから1巻読んでみたんですけど、うん。真弓はね。
秀の介護&通訳及び勇太という他人と生活することによって凄く良いキャラになったんだと思いました
人との関わり合いが人を成長させるのだなと思いました
何が言いたいのかというと、今、わたし『毎日晴天!』で一番好きなキャラは真弓なのですが
初期真弓には全然魅力を感じなかったので、今の真弓になれたのはやはり秀&勇太の存在が
大きかったのだろうとね。
あと、結構今になって1巻読むと秀&勇太の頑張りというか勇気が魂削るレベルでやってる感あって
ちょっと感動しました

「毎日晴天!」アニメ化しないかな! 是非したら良いと思うな!