男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。

『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。』(表題は「くびしめ」で変換可能)1巻~三巻を読み終えたので読書感想をば。


のり塩ポテトチップスおいしいね
読後どうしても食べたくなって実に十数年ぶりにのり塩味のを食べたのだけど
久々だったからか本当に、美味しかった。

小説自体の感想は、一言でいうと、とても、面白かった。
最初は、人死にの出ないアクションのない銃器が出てこない時雨沢小説なんて面白いんだろうかと
猜疑心を持っていたのだけれど、読んでみればそれは杞憂だったと解った。
むしろ全てのシーンが、流れが、ナチュラルに感じられて良いことだった。

キャラクターは、まず、「先生」と「似鳥」。主人公とヒロイン。
三巻にいたってはダブル主人公のようでもあったこの2人のメインキャラが好感の持てる
人物像だったのが、とてもよかった。

「先生」の方は、ライトノベル作家というだけあって、物書きしている人なら「わかるわかる」と
共感できるようなことを思考し、また、ぼっちならこれまた「わかるわかる」と頷けるような
行動をするところが良い。

「似鳥」の方は、『メグセロ』で、メグが母国語時は普通の喋り方だけど外国語を喋る時は
丁寧過ぎる言葉づかいになってしまう特徴が、とてもかわいくて私は気にいっていたので、
ステラ時と似鳥時で、似鳥に同じような現象が起きるのが、まず良いと思った。
あと、単純に外見。かわいい。黒髪ぱっつん眼鏡。かわいい。まあ、ウィッグだけども。
ステラ時の容姿についてはふうんという感じ。
サモナイ2のミニスママンの若い頃はこんな感じだったろうなという感想を持った。

私がこの本を購入しようと思ったのは、3巻の似鳥視点のストーリーがとても面白く感じられたからだ。
1巻、2巻と立ち読みしていた時は、どうにも面白そうに思えなかったのだけど
3巻は、引き込まれた。一気に30頁立ち読みさせられた。
なので、もうこれは買うしかないなと思うにいたった。

1、2巻は『リリトレ』よろしくとにかくずっと列車で2人がくっちゃべっている様子が描かれている
シーンがとても長い。凄く長い。けれど面白い。
先生の話がライトノベル製作方法だったり作家業についてでとても興味深い。面白い。
出版業界物といえばこの作品の他には『世界一初恋』ぐらいしか思いつかないのだけれども
そこで出てきていた単語がぽんぽんかぶさって説明されていくのも面白い。
そして、似鳥が、実は、凄い。
話を聞き出す能力というのだろうか。たいへん、凄い。勉強になる。
接客業に就いている人は割と真面目に似鳥の話法を盗むべきだと思います。
私は盗もうと思いました。

まあ、感想は、このくらいで。

批判したい箇所といえば、プルートゥの設定でしょうか。
時雨沢先生にとって「実は女の子だったネタ」は萌え要素なのかもしれないですが
私にとっては激萎え要素以外の何者でもないので、出てくる度に、ああ、趣味違うなあとがっくりきます

作家と趣味があわないって結構致命的にその作家に三行半つきつける原因となっちゃうので
いっつもはらはらします。
例えば、真堂樹さんとか、藤たまきさんとか、由貴香織里先生とか、これです。
どんどん趣味合わなくなってっちゃってさよならしちゃった作家さんです。哀しい。
そうならないことを、祈っています。
いや、藤たまき先生については、実は、まだ諦めていない。きっと戻ってきてくれると信じている。
『不思議ポット』は私の中で無かったことにしておくから、どうか、帰ってきて欲しい。